箱庭の世界-No70
「ふー、さっぱりしたー。」
「今日もあっつかったもんなあ。風呂ってやっぱりすっきりすんな。」
そのままどさ、とベットに腰掛けるテッドとは別に、スランの方はと言うとごろんと床に転がり込む。
「なにやってんだ、お前。」
「んー?だって風呂上がったばっかりだから暑くてさ。床ってひんやりしてて気持ちいい。」
ごろん、と仰向けになってこっちこっち、と手招きをしてみせるスランにテッドは僅かに苦笑いを浮かべる。
「くおら、お行儀悪いぞ。仮にも良家のお坊ちゃんが。」
こんこん、と足で蹴る素振りをしていると、不意にスランがその足をが、と掴んでテッドの足の裏をこそぐりだしだ。
「コラお前!なにすんだスラン!」
足を引っ張られた所為でベットからズレ落ちて頭から尻にかけて打った痛みと感じるとともに、とどめとばかりに足をこそぐっているスランに向かって反撃とばかりにつかまれた足をぶんぶんと蹴る様に振っている。
「お前が坊ちゃん扱いして舐めてかかるからこうなるんだよ。」
にんまりと笑う、悪戯っぽい笑み。
明らかに優位に立っているのを確信しているスランの手をテッドは何とか引き剥がし、ぜーぜーと息を吐きながらも寝技で反撃に持ち込んだ。
「ははははっ!テッドっ!!止めろって!」
「この俺に対して生意気な口を利いた報いだ〜」
かわるがわるばたばたと、無邪気なじゃれ合いをへとへとになるまで飽きることなく続けるのは、いつもの事で、周りは気付いていても何も言いに来る事はない。
そうして体がついていかなくなった頃、疲れた体を床に投げ出してお互い笑いあい、そのまま眠るまで色んな話をするのも常だった。
手を伸ばして触れられるほどの距離で、くだらない事ばかりをべらべらと話す。
そうして、だんだんと口数少なくなっていく相手の吐息と匂いを気持ちよく感じながら、うっすらと眠りについていく。

この溶け合うような空気。
とくん、とくん、と。
春日の太陽の中でまどろむ様なこの放し難い心地よさ。

まるで夢のような空間。
これは、ほんの短い間の
―――――――箱庭の、幸福。




100のお題用SS
…えっと他がまだ…。ROと合同でやります。

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